菊(マム)は仏花の象徴ではありません。
「菊=仏花」というイメージがありますが、菊そのものが仏花の象徴というわけではありません。
菊の本来の意味と歴史
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高貴な花
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菊は古くから中国や日本で「高貴な花」として扱われてきました。
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日本では平安時代に貴族の間で鑑賞され、鎌倉時代以降は皇室の紋章としても使われるようになりました(十六菊花紋)。
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長寿や繁栄の象徴
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中国では菊は「長寿の花」とされ、不老長寿の象徴とされています。
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日本でも重陽の節句(9月9日)に「菊酒」を飲む風習があり、健康や長寿を願う意味が込められています。
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なぜ仏花として使われるのか?
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日持ちが良い:菊は比較的長持ちする花で、枯れにくいため、お供えに適しています。
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香りが強い:昔は花の香りで悪霊を払うという考えもありました。
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通年手に入る:季節を問わず流通しやすいため、供花として利用されやすくなりました。
菊=仏花ではない
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欧米では菊は「愛」「幸福」の象徴として贈り物にも使われます。
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日本でも祝いの場で使われることがあり、「菊=仏花」だけのイメージは誤解です。
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特に洋菊(マム)は華やかな見た目から、結婚式や贈答用の花にも多く利用されます。
菊は仏花としてよく使われますが、仏花の象徴というわけではなく、本来は高貴で長寿を象徴する花です。
状況に応じて適切な菊の花材を使えば、慶事にも弔事にも非常にふさわしい花となります。
菊のイメージをお花屋さんから変えていかなくてはいけませんね。


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